【活用ガイド】

JVNDB-2021-001062

三菱電機製 FA エンジニアリングソフトウェア製品における複数の脆弱性

概要

三菱電機株式会社が提供する FA エンジニアリングソフトウェア製品には、次の複数の脆弱性が存在します。

 * ヒープベースのバッファオーバーフロー (CWE-122) - CVE-2021-20587
 * 長さパラメータの不整合時の不適切な取り扱い (CWE-130) - CVE-2021-20588

この脆弱性情報は、製品利用者への周知を目的に、開発者が JPCERT/CC に報告し、JPCERT/CC が開発者との調整を行いました。
CVSS による深刻度 (CVSS とは?)

CVSS v3 による深刻度
基本値: 7.5 (重要) [IPA値]
  • 攻撃元区分: ネットワーク
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃に必要な特権レベル: 不要
  • 利用者の関与: 不要
  • 影響の想定範囲: 変更なし
  • 機密性への影響(C): なし
  • 完全性への影響(I): なし
  • 可用性への影響(A): 高
CVSS v2 による深刻度
基本値: 7.5 (危険) [NVD値]
  • 攻撃元区分: ネットワーク
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃前の認証要否: 不要
  • 機密性への影響(C): 部分的
  • 完全性への影響(I): 部分的
  • 可用性への影響(A): 部分的
※上記は、CVE-2021-20587の評価になります。


CVSS v3 による深刻度
基本値: 7.5 (重要) [IPA値]
  • 攻撃元区分: ネットワーク
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃に必要な特権レベル: 不要
  • 利用者の関与: 不要
  • 影響の想定範囲: 変更なし
  • 機密性への影響(C): なし
  • 完全性への影響(I): なし
  • 可用性への影響(A): 高
※上記は、CVE-2021-20588の評価になります。
影響を受けるシステム


三菱電機
  • C 言語コントローラ設定・モニタツール (SW4PVC-CCPU) (*1) Ver. 4.12N およびそれ以前
  • CPU ユニットロギング設定ツール (*1) Ver.1.112R およびそれ以前
  • CW Configurator (*1) Ver.1.011M およびそれ以前
  • EZSocket (*1)(*2)(*3) Ver. 5.4 およびそれ以前
  • FR Configurator (*2) 全バージョン
  • FR Configurator SW3 (*2) 全バージョン
  • FR Configurator2 (*2) Ver1.24A およびそれ以前
  • GT Designer3 Version1(GOT1000) (*3) Ver. 1.250L およびそれ以前
  • GT Designer3 Version1(GOT2000) (*3) Ver. 1.250L およびそれ以前
  • GT SoftGOT1000 Version3 (*3) Ver3.245F およびそれ以前
  • GT SoftGOT2000 Version1 (*3) Ver. 1.250L およびそれ以前
  • GX Configurator-DP (*1) Ver. 7.14Q およびそれ以前
  • GX Configurator-QP (*1) 全バージョン
  • GX Developer (*1) Ver.8.506C およびそれ以前
  • GX Explorer (*1) 全バージョン
  • GX IEC Developer (*1) 全バージョン
  • GX LogViewer (*1) Ver.1.115U およびそれ以前
  • GX RemoteService-I (*1) 全バージョン
  • GX Works2 (*1) Ver. 1.597X およびそれ以前
  • GX Works3 (*1) Ver. 1.070Y およびそれ以前
  • iQMonozukuri アンドン (データ転送ツール(*3)) 全バージョン
  • iQMonozukuri 工程リモート監視 (データ転送ツール(*3)) 全バージョン
  • MELFA-Works (*1) Ver.4.4 およびそれ以前
  • MELSOFT EM Software Development Kit (EM Configurator) (*1) 1.015R およびそれ以前
  • MELSOFT Navigator (*1)(*2)(*3) Ver.2.74C およびそれ以前
  • MH11 SettingTool Version2 (*1) Ver.2.004E およびそれ以前
  • MI Configurator (*1) Ver. 1.004E およびそれ以前
  • MT Works2 (*1) Ver. 1.167Z およびそれ以前
  • MX Component (*1)(*2)(*3) Ver. 5.001B およびそれ以前
  • M_CommDTM-HART (*1) 全バージョン
  • M_CommDTM-IO-Link (*1) Ver. 1.03D およびそれ以前
  • PX Developer (*1) Ver.1.53F およびそれ以前
  • RT ToolBox2 (*1) Ver.3.73B およびそれ以前
  • RT ToolBox3 (*1) Ver.1.82L およびそれ以前
  • SLMP データコレクタ (*1) Ver. 1.04E およびそれ以前
  • WinCPU 設定ユーティリティ (*1) 全バージョン
  • データ転送ツール (*3) Ver.3.44W およびそれ以前
  • ネットワークインタフェースボード CC IE Control ユーティリティ (*1) Ver. 1.29F およびそれ以前
  • ネットワークインタフェースボード CC IE Field ユーティリティ (*1) Ver. 1.16S およびそれ以前
  • ネットワークインタフェースボード CC-Link Ver.2 ユーティリティ (*1) Ver. 1.23Z およびそれ以前
  • ネットワークインタフェースボード MNETH ユーティリティ (*1) Ver. 34L およびそれ以前

(*1) 三菱電機製シーケンサ製品と通信を行うソフトウェア製品
(*2) 三菱電機製インバータ製品と通信を行うソフトウェア製品
(*3) 三菱電機製 GOT 製品と通信を行うソフトウェア製品

詳しくは、開発者が提供する情報をご確認ください。
想定される影響

遠隔の第三者が三菱電機製シーケンサ、GOT、あるいはインバータ製品になりすまして一部細工した応答パケットを返信し、当該製品に受信させることにより、当該製品をサービス運用妨害 (DoS) 状態にさせる可能性があります。また、悪意のあるプログラムが実行される可能性もあります。
対策

[アップデートする]
開発者が提供する情報をもとに、各製品に対応したアップデートを適用してください。
対策済みの製品は次の通りです。

 * CPUユニットロギング設定ツール Ver. 1.118X およびそれ以降
 * CW Configurator Ver. 1.012N およびそれ以降
 * データ転送ツール Ver. 3.45X およびそれ以降 (*4)
 * EZSocket Ver. 5.5 およびそれ以降 (*5)
 * FR Configurator2 Ver. 1.25B およびそれ以降
 * GT Designer3 Version1 (GOT1000) Ver. 1.255R およびそれ以降
 * GT Designer3 Version1 (GOT2000) Ver. 1.255R およびそれ以降
 * GT SoftGOT1000 Version3 Ver. 3.255R およびそれ以降
 * GT SoftGOT2000 Version1 Ver. 1.255R およびそれ以降
 * GX Configurator-DP Ver. 7.15R およびそれ以降 (*6)
 * GX Developer Ver. 8.507D およびそれ以降
 * GX LogViewer Ver. 1.118X およびそれ以降
 * GX Works2 Ver. 1.600A およびそれ以降
 * GX Works3 Ver. 1.072A およびそれ以降
 * M_CommDTM-IO-Link Ver. 1.04E およびそれ以降
 * MELFA-Works Ver. 4.5 およびそれ以降
 * MELSOFT EM Software Development Kit (EM Configurator) Ver.1.020W およびそれ以降
 * MELSOFT Navigator Ver. 2.78G およびそれ以降
 * MH11 SettingTool Version2 Ver. 2.005F およびそれ以降
 * MI Configurator Ver. 1.005F およびそれ以降
 * MT Works2 Ver. 1.170C およびそれ以降
 * MX Component Ver. 5.002C およびそれ以降
 * ネットワークインタフェースボード CC IE Control ユーティリティ Ver. 1.30G およびそれ以降
 * ネットワークインタフェースボード CC IE Fieldユーティリティ Ver. 1.17T およびそれ以降
 * ネットワークインタフェースボード CC-Link Ver.2ユーティリティ Ver. 1.24A およびそれ以降
 * ネットワークインタフェースボード MNETHユーティリティ Ver. 35M およびそれ以降
 * PX Developer Ver. 1.54G およびそれ以降
 * RT ToolBox2 Ver. 3.74C およびそれ以降
 * RT ToolBox3 Ver. 1.90U およびそれ以降
 * C言語コントローラ設定・モニタツール (SW4PVC-CCPU) Ver. 4.13P およびそれ以降
 * SLMPデータコレクタ Ver. 1.05F およびそれ以降

(*4) iQ Monozukuri アンドン及び iQ Monozukuri 工程リモート監視は、データ転送ツールの最新版をダウンロードしアップデートしたうえで利用すること
(*5) EZSocket の対策品は、開発者からパートナー企業に直接提供される
(*6) GX Configurator-DP に関しては、製品を購入した支社、代理店に相談すること

[ワークアラウンドを実施する]
対策版が提供されていない製品を使用している場合、またはアップデートを適用できない場合には、次の回避策を適用することで、本脆弱性の影響を軽減することが可能とのことです。

 * 三菱電機製シーケンサと通信を行うソフトウェア製品の場合、該当製品をインストールしているパソコンに、対策済の GX Works3 をインストールする
 * 三菱電機製インバータと通信を行うソフトウェア製品の場合、該当の製品をインストールしているパソコンに、対策済の FR Configurator2 をインストールする
 * GOT 製品と通信を行うソフトウェア製品の場合、該当の製品をインストールしているパソコンに、対策済の GT Designer3 をインストールする
 * 該当製品を管理者権限を持たないアカウントで操作する
 * 該当製品を使用するパソコンにウイルス対策ソフトを搭載する
 * すべての制御システムデバイスやシステムのネットワークへの接続を最小限に抑え、信頼できないネットワークやホストからアクセスできないようにする
 * 制御システムネットワークとリモートデバイスをファイアウォールで防御し、OA ネットワークから分離する
 * リモートアクセスが必要な場合は、仮想プライベートネットワーク (VPN) を使用する

詳しくは、開発者が提供する情報をご確認ください。
ベンダ情報

三菱電機
CWEによる脆弱性タイプ一覧  CWEとは?

  1. ヒープベースのバッファオーバーフロー(CWE-122) [その他]
  2. レングスパラメーターの不整合による不適切な処理(CWE-130) [その他]
共通脆弱性識別子(CVE)  CVEとは?

  1. CVE-2021-20587
  2. CVE-2021-20588
参考情報

  1. JVN : JVNVU#92330101
  2. National Vulnerability Database (NVD) : CVE-2021-20587
  3. National Vulnerability Database (NVD) : CVE-2021-20588
  4. ICS-CERT ADVISORY : ICSA-21-049-02
更新履歴

  • [2021年02月25日]
      掲載
  • [2021年05月28日]
      影響を受けるシステム:内容を更新
      対策:内容を更新
  • [2021年07月29日]
      影響を受けるシステム:内容を更新
      対策:内容を更新
  • [2021年11月17日]
      影響を受けるシステム:内容を更新
      対策:内容を更新
  • [2022年02月09日]
      影響を受けるシステム:内容を更新
      対策:内容を更新
  • [2022年05月25日]
      影響を受けるシステム:内容を更新
      対策:内容を更新
  • [2022年11月18日]
      影響を受けるシステム:内容を更新
      対策:内容を更新