【活用ガイド】

JVNDB-2020-009010

Acronis 製の複数のバックアップソフトウェアに DLL 読み込みに関する脆弱性

概要

Acronis 製の複数のバックアップソフトウェアには、DLL 読み込みに関する脆弱性が存在します。

DLL ファイルの検索パスが適切に制御されていない (CWE-427) - CVE-2020-10138, CVE-2020-10139
Acronis Cyber Backup 12.5、Acronis Cyber Protect 15 および Acronis True Image 2021 は、OpenSSL コンポーネントを配置するためのフォルダを環境変数 OPENSSLDIR により C:\jenkins_agent の下位フォルダとして指定しています。
当該製品では、DLL を読み込む際の検索パスに問題があり、OpenSSL コンポーネントに偽装された悪意のある DLL ファイルを管理者権限を持たない Windows ユーザによって当該フォルダに配置され、SYSTEM 権限で動作するサービスとして起動してしまう脆弱性が存在します。

ファイルアクセス制限の不備 (CWE-284) - CVE-2020-10140
Acronis True Image 2021 では、C:\ProgramData\Acronis フォルダに適切な ACL が設定されておらず、管理者権限を持たない Windows ユーザによって当該フォルダに配置された悪意のある DLL ファイルを読み込み、SYSTEM 権限でコードを実行してしまう脆弱性が存在します。
CVSS による深刻度 (CVSS とは?)

CVSS v3 による深刻度
基本値: 7.8 (重要) [NVD値]
  • 攻撃元区分: ローカル
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃に必要な特権レベル: 低
  • 利用者の関与: 不要
  • 影響の想定範囲: 変更なし
  • 機密性への影響(C): 高
  • 完全性への影響(I): 高
  • 可用性への影響(A): 高
CVSS v2 による深刻度
基本値: 7.2 (危険) [NVD値]
  • 攻撃元区分: ローカル
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃前の認証要否: 不要
  • 機密性への影響(C): 全面的
  • 完全性への影響(I): 全面的
  • 可用性への影響(A): 全面的
影響を受けるシステム


Acronis International GmbH
  • Cyber Backup 12.5 ビルド番号 16363 より前のバージョン
  • Cyber Protect 15 ビルド番号 24600 より前のバージョン
  • True Image 2021 ビルド番号 32010 より前のバージョン

なお、本脆弱性は Windows 向け製品においてのみ影響を受けます。
想定される影響

特別に細工された DLL ファイルを特定のパスに配置されることにより、当該製品がインストールされている Windows システムにおいて、SYSTEM 権限で任意のコードを実行される可能性があります。
対策

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ベンダ情報

Acronis International GmbH
CWEによる脆弱性タイプ一覧  CWEとは?

  1. 不適切なアクセス制御(CWE-284) [その他]
  2. 制御されていない検索パスの要素(CWE-427) [その他]
共通脆弱性識別子(CVE)  CVEとは?

  1. CVE-2020-10138
  2. CVE-2020-10139
  3. CVE-2020-10140
参考情報

  1. JVN : JVNVU#92288299
  2. National Vulnerability Database (NVD) : CVE-2020-10138
  3. National Vulnerability Database (NVD) : CVE-2020-10139
  4. National Vulnerability Database (NVD) : CVE-2020-10140
  5. US-CERT Vulnerability Note : VU#114757
  6. 関連文書 : Hijack Execution Flow: DLL Search Order Hijacking
更新履歴

  • [2020年10月14日]
      掲載