【活用ガイド】

[English]

JVNDB-2020-002958

三菱電機製 MELSEC シリーズの MELSOFT 交信ポートにおけるリソース枯渇の脆弱性

概要

三菱電機株式会社が提供する MELSEC iQ-R,iQ-F,Q,L,F シリーズの MELSOFT 交信ポート (UDP/IP) には、リソース枯渇の脆弱性 (CWE-400) が存在します。MELSOFT 交信ポートに大量のデータを送信すると、リソースが枯渇することにより当該ポートにおいて処理が行われなくなり、サービス運用妨害 (DoS) 状態となる場合があります。

この脆弱性情報は、製品利用者への周知を目的に、開発者が JPCERT/CC に報告し、JPCERT/CC が開発者との調整を行いました。
CVSS による深刻度 (CVSS とは?)

CVSS v3 による深刻度
基本値: 5.3 (警告) [IPA値]
  • 攻撃元区分: ネットワーク
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃に必要な特権レベル: 不要
  • 利用者の関与: 不要
  • 影響の想定範囲: 変更なし
  • 機密性への影響(C): なし
  • 完全性への影響(I): なし
  • 可用性への影響(A): 低
CVSS v2 による深刻度
基本値: 5.0 (警告) [IPA値]
  • 攻撃元区分: ネットワーク
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃前の認証要否: 不要
  • 機密性への影響(C): なし
  • 完全性への影響(I): なし
  • 可用性への影響(A): 部分的
影響を受けるシステム


三菱電機
  • MELSEC F シリーズ
  • MELSEC iQ-F シリーズ
  • MELSEC iQ-R シリーズ
  • MELSEC L シリーズ
  • MELSEC Q シリーズ

想定される影響

MELSOFT 交信ポートが処理不能状態に陥った場合、正常なクライアントが MELSOFT 通信ポートに接続できなくなります。また、他の通信ポートで通信している機器が繋がりにくくなります。

なお開発者によると、本脆弱性により Ethernet 通信以外の機能が影響を受けることはないとのことです。
対策

[ワークアラウンドを実施する]
開発者によると、本脆弱性はシーケンス制御への影響がなく、サービス運用妨害 (DoS) 状態が終了すれば通信は正常状態となるため、アップデートやパッチの提供は行わないとのことです。

ただし、次の回避策のいずれか、または組み合わせを適用することで、本脆弱性の影響を軽減できます。

 * ファイアウォールを設置し、ネットワーク経由の外部機器からのアクセスを制限する
 * IP フィルタ機能を使用し、接続可能な IP アドレスを制限する

詳しくは、開発者が提供する情報をご確認ください。
ベンダ情報

三菱電機
CWEによる脆弱性タイプ一覧  CWEとは?

  1. リソースの枯渇(CWE-400) [NVD評価]
共通脆弱性識別子(CVE)  CVEとは?

  1. CVE-2020-5527
参考情報

  1. JVN : JVNVU#91553662
  2. National Vulnerability Database (NVD) : CVE-2020-5527
  3. ICS-CERT ADVISORY : ICSA-20-091-02
更新履歴

  • [2020年03月31日]
      掲載
  • [2020年04月01日]
      参考情報:ICS-CERT ADVISORY (ICSA-20-091-02) を追加