【活用ガイド】

JVNDB-2019-013270

複数の Apple 製品に解放済みメモリ使用 (use-after-free) の脆弱性

概要

複数の Apple 製品で使用している SecureROM には解放済みメモリ使用 (use-after-free) の脆弱性が存在します。

Apple が提供する複数の製品で用いられている SecureROM (ブート ROM レベル) には、デバイス起動時において解放済みのメモリ使用 (use-after-free) の脆弱性 (CWE-416) が存在します。
CVSS による深刻度 (CVSS とは?)

CVSS v3 による深刻度
基本値: 7.7 (重要) [JPCERT/CC値]
  • 攻撃元区分: ローカル
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃に必要な特権レベル: 不要
  • 利用者の関与: 不要
  • 影響の想定範囲: 変更なし
  • 機密性への影響(C): 高
  • 完全性への影響(I): 高
  • 可用性への影響(A): なし
CVSS v2 による深刻度
基本値: 5.6 (警告) [JPCERT/CC値]
  • 攻撃元区分: ローカル
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃前の認証要否: 不要
  • 機密性への影響(C): 部分的
  • 完全性への影響(I): 全面的
  • 可用性への影響(A): なし
影響を受けるシステム

プロセッサチップ A5 から A11 を搭載する次の製品

アップル
  • Apple TV 第 3 世代 および 4k
  • Apple Watch Series 1 から Series 3 まで
  • iPad Air
  • iPad Air 2
  • iPad Pro 10.5 インチ および 12.9 インチ 第 2 世代
  • iPad 第 2 世代から 第 7 世代まで
  • iPad mini 第 2 世代および 第 3 世代
  • iPhone 4s から iPhone X まで
  • iPod touch 第 5 世代 から 第 7 世代

脆弱性に該当するプロセッサチップを利用している製品であれば、上記以外の製品も影響を受けます。

なお、 A12 以降のプロセッサチップを使用している iPhone Xs、iPhone XR、iPhone 11 シリーズ および iPad Pro 12.9 インチ 第 3 世代 は本脆弱性の影響を受けません。
想定される影響

製品に物理的にアクセス可能な第三者によって、任意のコードを実行される可能性があります。
対策

[脆弱性のない製品への移行]
本脆弱性は読み取り専用の SecureROM に存在するため、ファームウェアアップデートなどによる対策ができません。
脆弱性を含まない製品へ移行してください。
※ Apple からは本脆弱性に関する情報が公開されていません。
ベンダ情報

CWEによる脆弱性タイプ一覧  CWEとは?

  1. 解放済みメモリの使用(CWE-416) [JPCERT/CC評価]
共通脆弱性識別子(CVE)  CVEとは?

  1. CVE-2019-8900
参考情報

  1. JVN : JVNVU#95417700
  2. US-CERT Vulnerability Note : VU#941987
  3. 関連文書 : New iOS exploit checkm8 allows permanent compromise of iPhones
  4. 関連文書 : GitHub - axi0mX/ipwndfu
更新履歴

  • [2019年12月24日]
      掲載