【活用ガイド】

JVNDB-2016-005674

ISC BIND の DNAME レコードを含む応答パケットの処理に脆弱性

概要

ISC BIND には、DNAME レコードを含む応答パケットの処理に問題があり、db.c もしくは resolver.c で assertion failture (表明違反) が発生し、その結果 named が異常終了する可能性があります。
(resolver.c で assertion failure が発生した場合には "INSIST((valoptions & 0x0002U) != 0) failed"、db.c で assertion failure が発生した場合には "REQUIRE(targetp != ((void *)0) && *targetp == ((void *)0)) failed" というエラーメッセージが出力されます。)

開発者によると、2016年11月2日時点で攻撃は観測されていませんが、クラッシュを引き起こすクエリについては公開のメーリングリスト上で言及されています。

補足情報 : CWE による脆弱性タイプは、CWE-19: Data Handling (データ処理) と識別されています。
https://cwe.mitre.org/data/definitions/19.html
CVSS による深刻度 (CVSS とは?)

CVSS v3 による深刻度
基本値: 7.5 (重要) [NVD値]
  • 攻撃元区分: ネットワーク
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃に必要な特権レベル: 不要
  • 利用者の関与: 不要
  • 影響の想定範囲: 変更なし
  • 機密性への影響(C): なし
  • 完全性への影響(I): なし
  • 可用性への影響(A): 高
CVSS v2 による深刻度
基本値: 5.0 (警告) [NVD値]
  • 攻撃元区分: ネットワーク
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃前の認証要否: 不要
  • 機密性への影響(C): なし
  • 完全性への影響(I): なし
  • 可用性への影響(A): 部分的
影響を受けるシステム


ISC, Inc.
  • BIND 9.0.x から 9.8.x まで
  • BIND 9.10.0 から 9.10.4-P3 まで
  • BIND 9.11.0
  • BIND 9.9.0 から 9.9.9-P3 まで
  • BIND 9.9.3-S1 から 9.9.9-S5 まで

想定される影響

遠隔の第三者によって、サービス運用妨害 (DoS) 攻撃が行われる可能性があります。
対策

[アップデートする]
開発者が提供する情報をもとに、最新版へアップデートしてください。
開発者は、本脆弱性の対策版として次のバージョンをリリースしています。

　* BIND 9 version 9.9.9-P4
　* BIND 9 version 9.9.9-S6
　* BIND 9 version 9.10.4-P4
　* BIND 9 version 9.11.0-P1

BIND 9 Supported Preview 版は ISC サポートの対象である特定顧客にのみ提供されているものです。
ベンダ情報

ISC, Inc.
CWEによる脆弱性タイプ一覧  CWEとは?

  1. 到達可能なアサーション(CWE-617) [NVD評価]
共通脆弱性識別子(CVE)  CVEとは?

  1. CVE-2016-8864
参考情報

  1. JVN : JVNVU#92683474
  2. National Vulnerability Database (NVD) : CVE-2016-8864
  3. JPCERT 注意喚起 : JPCERT-AT-2016-0044
  4. JPRS : （緊急）BIND 9.xの脆弱性（DNSサービスの停止）について（CVE-2016-8864）
  5. JPNIC : DNAMEを含む応答の処理に関わる BIND 9の脆弱性について(2016年11月) 
更新履歴

  • [2016年11月02日]
      掲載
    [2016年11月10日]
      概要：内容を更新
      CVSS による深刻度：内容を更新
      CWE による脆弱性タイプ一覧：CWE-ID を追加
      参考情報：National Vulnerability Database (NVD) (CVE-2016-8864) を追加

公表日2016/11/02
登録日2016/11/02
最終更新日2016/11/10