【活用ガイド】

JVNDB-2016-002444

Little CMS 2 の DefaultICCintents 関数に double-free の脆弱性

概要

Little CMS 2 の DefaultICCintents 関数には double-free の脆弱性が存在し、遠隔の第三者が任意のコードを実行することが可能です。

Little CMS は、International Color Consortium (ICC) 標準規格をサポートしたオープンソースのカラーマネジメントエンジンです。Little CMS の 2.5 およびそれ以前の 2 系では、cmscnvrt.c に含まれる DefaultICCintents 関数に double-free の脆弱性が存在します。cmsPipeline オブジェクト "Lut" が複数回 free されることで、結果としてメモリ破損が起こります。

この問題は 2013年にコードの修正が行われましたが、その時点では CVE が割り当てられていませんでした。そのため、製品開発者によっては Little CMS を対策版にアップデートしていない可能性があります。

なお、National Vulnerability Database (NVD) では、CWE-415 として公開されています。

CWE-415: Double Free
https://cwe.mitre.org/data/definitions/415.html
CVSS による深刻度 (CVSS とは?)

CVSS v3 による深刻度
基本値: 9.8 (緊急) [NVD値]
  • 攻撃元区分: ネットワーク
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃に必要な特権レベル: 不要
  • 利用者の関与: 不要
  • 影響の想定範囲: 変更なし
  • 機密性への影響(C): 高
  • 完全性への影響(I): 高
  • 可用性への影響(A): 高
CVSS v2 による深刻度
基本値: 10.0 (危険) [NVD値]
  • 攻撃元区分: ネットワーク
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃前の認証要否: 不要
  • 機密性への影響(C): 全面的
  • 完全性への影響(I): 全面的
  • 可用性への影響(A): 全面的
影響を受けるシステム


Little CMS
  • Little CMS 2.5 およびそれ以前の 2 系 (liblcms2)

想定される影響

遠隔の第三者が、細工された ICC プロファイルを Little CMS ライブラリを使用しているアプリケーションに処理させることで、アプリケーションの権限で任意のコードを実行する可能性があります。脆弱性の影響は、アプリケーションがどのように liblcms2 を使用しているか、また、どのような機能が外部からの攻撃に使えるかによって異なります。
対策

[アップデートする]
本脆弱性は Little CMS 2.6 で修正されています。
使用している Little CMS で本脆弱性の修正が行われているかどうかについては、各製品開発者へご確認ください。
ベンダ情報

Canonical Little CMS
CWEによる脆弱性タイプ一覧  CWEとは?

  1. その他(CWE-Other) [NVD評価]
共通脆弱性識別子(CVE)  CVEとは?

  1. CVE-2013-7455
参考情報

  1. JVN : JVNVU#92923836
  2. National Vulnerability Database (NVD) : CVE-2013-7455
  3. US-CERT Vulnerability Note : VU#369800
更新履歴

  • [2016年05月10日]
      掲載
    [2016年06月01日]
      CWE による脆弱性タイプ一覧:CWE-ID を追加