【活用ガイド】

JVNDB-2016-001538

コンテンツデリバリネットワーク (CDN) に対するサービス運用妨害 (DoS) の問題 (Forwarding Loop 攻撃)

概要

コンテンツデリバリネットワーク (CDN) に対する攻撃手法として、Forwarding Loop を発生させサービス運用妨害 (DoS) 状態にする攻撃 (Forwarding Loop 攻撃) が指摘されています。

無制限なリソースの消費 (リソース枯渇) (CWE-400)
コンテンツデリバリネットワーク (CDN) は、コンテンツへのアクセスリクエストを地理的に近いサーバに転送して処理することで、ウェブサイトの処理効率とスケーラビリティを向上させます。CDN の動作には、CDN サービスのユーザが配信したいコンテンツを CDN 上にアップロードするための push モードと、コンテンツへのアクセスに対してリバースプロキシのように動作する pull モードの 2つが存在します。

CWE-400: Uncontrolled Resource Consumption ('Resource Exhaustion')
http://cwe.mitre.org/data/definitions/400.html

pull モード動作の設定によっては、リクエストの転送を内部的にループさせることが可能であると指摘されています。リクエストの転送処理がループすることにより膨大なリソース消費につながるため、サービス運用妨害 (DoS) 攻撃を行うことが可能です。

さらなる詳細は、研究者の発表資料を確認してください。

研究者の発表資料 (Forwarding-Loop Attacks in Content Delivery Networks)
http://www.internetsociety.org/sites/default/files/blogs-media/forwarding-loop-attacks-content-delivery-networks.pdf
CVSS による深刻度 (CVSS とは?)

CVSS v2 による深刻度
基本値: 6.3 (警告) [IPA値]
  • 攻撃元区分: ネットワーク
  • 攻撃条件の複雑さ: 中
  • 攻撃前の認証要否: 単一
  • 機密性への影響(C): なし
  • 完全性への影響(I): なし
  • 可用性への影響(A): 全面的
影響を受けるシステム

CDN 事業者の提供するコンテンツデリバリネットワーク (CDN) サービスが、本脆弱性の影響を受ける可能性があります。

(複数のベンダ)
  • (複数の製品)

想定される影響

遠隔の攻撃者によって CDN をサービス運用妨害 (DoS) 状態にされる可能性があります。結果として、CDN 上のコンテンツにアクセスできなくなる可能性があります。
対策

研究者と CERT/CC は、影響を受けることが判明している CDN 事業者に連絡し、この攻撃についての情報を提供しています。これら CDN 事業者はそれぞれ対策を実施しています。

CDN サービスを提供している事業者は、自身の提供する CDN が本脆弱性の影響を受けるかどうか、研究者の発表資料を確認してください。

研究者の発表資料 (Forwarding-Loop Attacks in Content Delivery Networks)
http://www.internetsociety.org/sites/default/files/blogs-media/forwarding-loop-attacks-content-delivery-networks.pdf
ベンダ情報

CWEによる脆弱性タイプ一覧  CWEとは?

  1. その他(CWE-Other) [IPA評価]
共通脆弱性識別子(CVE)  CVEとは?

参考情報

  1. JVN : JVNVU#94080110
  2. US-CERT Vulnerability Note : VU#938151
  3. 関連文書 : Forwarding-Loop Attacks in Content Delivery Networks
  4. 関連文書 : Forwarding-Loop Attacks in Content Delivery Networks (slides)
更新履歴

  • [2016年03月02日]
      掲載