【活用ガイド】

JVNDB-2015-004728

OrientDB および OrientDB Studio に複数の脆弱性

概要

OrientDB Server Community Edition 2.1.1 より前のバージョンにバンドルされた Studio には、複数の脆弱性が存在します。

クロスサイトリクエストフォージェリ (CWE-352) - CVE-2015-2912
OrientDB 用のウェブインターフェース Studio には、クロスサイトリクエストフォージェリの脆弱性が存在します。当該システムとのセッションがアクティブな状態のユーザが、細工されたリクエストを送信させられることにより、Studio に対して意図しない操作をさせられる可能性があります。

CWE-352: Cross-Site Request Forgery (CSRF)
https://cwe.mitre.org/data/definitions/352.html

本脆弱性は OrientDB Server Community Edition 2.0.3 にバンドルされた Studio に対して報告されたものです。OrientDB Server Community Edition 2.0.15 より前のバージョンおよび 2.1.1 より前のバージョンにバンドルされた Studio についても脆弱性が存在する可能性があります。


不十分なランダム値の使用 (CWE-330) - CVE-2015-2913
OrientDB Server Community Edition 2.1.0 より前のバージョンは、セッション ID の生成に Java ライブラリ java.util.Random を使用しています。しかしながら、このクラスが生成する乱数の品質は、セキュリティに関連した用途には適していません。生成される値を攻撃者によって予測される可能性があります。

CWE-330: Use of Insufficiently Random Values
https://cwe.mitre.org/data/definitions/330.html

なお、National Vulnerability Database (NVD) では、CWE-200 (情報漏えい) として公開されています。


不適切な入力確認 (CWE-20) - CVE-2015-2918
OrientDB 用のウェブインターフェース Studio は、デフォルトではレスポンスヘッダ X-Frame-Options を付与しません。そのため、細工されたウェブページを介して、クリックジャッキング攻撃を受ける可能性があります。

CWE-20: Improper Input Validation
https://cwe.mitre.org/data/definitions/20.html
CVSS による深刻度 (CVSS とは?)

CVSS v2 による深刻度
基本値: 6.0 (警告) [IPA値]
  • 攻撃元区分: ネットワーク
  • 攻撃条件の複雑さ: 中
  • 攻撃前の認証要否: 単一
  • 機密性への影響(C): 部分的
  • 完全性への影響(I): 部分的
  • 可用性への影響(A): 部分的
影響を受けるシステム


Orient Technologies
  • OrientDB Server Community Edition 2.0.15 より前のバージョンにバンドルされた Studio
  • OrientDB Server Community Edition 2.1.1 より前のバージョンにバンドルされた Studio

想定される影響

遠隔の攻撃者によって、被害者であるユーザと同等の権限で、当該製品を操作される可能性があります。また、管理者権限を持っていないユーザによってセッション ID が操作されることで、データベースの管理者権限を入手される可能性があります。
対策

[アップデートする]
開発者が提供する情報をもとに、最新版へアップデートしてください。

CVE-2015-2912 および CVE-2015-2913 は OrientDB 2.0.15 および 2.1.1 で修正されています。
このアップデートでは、デフォルトで JSONP を無効にすることにより CVE-2015-2912 を修正しています。
また、java.security.SecureRandom を使用して乱数を生成することにより CVE-2015-2913 を修正しています。

デフォルトで JSONP を無効にする
https://github.com/orientechnologies/orientdb/issues/4824

java.security.SecureRandom を使用して乱数を生成する
https://github.com/orientechnologies/orientdb/commit/668ece96be210e742a4e2820a3085b215cf55104


[X-Frame-Options ヘッダを追加する]
クリックジャッキング攻撃 (CVE-2015-2918) を防止するために、X-Frame-Options ヘッダを追加してください。ヘッダを追加するためには、サーバの起動時に次のコマンドライン引数を追加してください。

  * Dnetwork.http.additionalResponseHeaders="X-FRAME-OPTIONS: DENY"

もしくは、この引数をサーバの orientdb-server-config.xml ファイルに追加してください。

[OrientDB Studio を無効にする]
必要がなければ Studio を無効にしてください。Studio を無効とすれば、これらの問題は顕在化しません。
ベンダ情報

Orient Technologies
CWEによる脆弱性タイプ一覧  CWEとは?

  1. その他(CWE-Other) [IPA評価]
  2. 情報漏えい(CWE-200) [NVD評価]
  3. 不適切な入力確認(CWE-20) [NVD評価]
  4. クロスサイトリクエストフォージェリ(CWE-352) [NVD評価]
共通脆弱性識別子(CVE)  CVEとは?

  1. CVE-2015-2912
  2. CVE-2015-2913
  3. CVE-2015-2918
参考情報

  1. JVN : JVNVU#96220126
  2. National Vulnerability Database (NVD) : CVE-2015-2912
  3. National Vulnerability Database (NVD) : CVE-2015-2913
  4. National Vulnerability Database (NVD) : CVE-2015-2918
  5. US-CERT Vulnerability Note : VU#845332
更新履歴

  • [2015年09月18日]
      掲載
    [2016年01月07日]
      CWE による脆弱性タイプ一覧:CWE-ID を追加
      参考情報:National Vulnerability Database (NVD) (CVE-2015-2912) を追加
      参考情報:National Vulnerability Database (NVD) (CVE-2015-2913) を追加
      参考情報:National Vulnerability Database (NVD) (CVE-2015-2918) を追加