【活用ガイド】

JVNDB-2006-000154

PHP の copy() 関数における open_basedir による制限を回避される脆弱性

概要

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本脆弱性情報は、同時期に公開された複数の脆弱性について、まとめて解説したものです。タイトル以外の他の脆弱性情報の内容が含まれていますので予めご了承ください。
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PHP には以下の複数のセキュリティ上の問題が存在します。

1) phpinfo() 関数における配列の処理に不備が存在するため、意図的に作成された URL によりクロスサイトスクリプティング攻撃が可能となる問題が存在します。(CVE-2006-0996)

リモートの攻撃者により悪用された場合、cookie などの重要な情報を取得される可能性があります。

2) tempnam() 関数において入力チェックに不備が存在するため、ディレクトリトラバーサル攻撃を利用し、open_basedir による制限を回避して一時ファイルを作成可能な問題が存在します。(CVE-2006-1494)

ローカルの攻撃者により悪用された場合、リソースを消費されサービス不能状態に陥る可能性があります。

3) safe_mode によるチェックの不備が存在し、copy() 関数において、例えば "compress.zlib://" スキームなどによりファイルパスが指定された場合、open_basedir による制限を回避してファイルにアクセス可能な問題が存在します。(CVE-2006-1608)

ローカルの攻撃者に悪用された場合、本来 PHP スクリプトによるアクセスが制限されるファイルをコピーされ、重要な情報が奪取されてしまう可能性があります。
CVSS による深刻度 (CVSS とは?)

CVSS v2 による深刻度
基本値: 2.1 (注意) [NVD値]
  • 攻撃元区分: ローカル
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃前の認証要否: 不要
  • 機密性への影響(C): 部分的
  • 完全性への影響(I): なし
  • 可用性への影響(A): なし
影響を受けるシステム


The PHP Group
  • PHP 5.1.2 および以前
  • PHP 4.4.2 および以前
ターボリナックス
  • Turbolinux Server 7  
  • Turbolinux Server 8  
  • Turbolinux Server 10  
  • Turbolinux Server 10 (x64) 
レッドハット
  • Red Hat Enterprise Linux 2.1 (as) 
  • Red Hat Enterprise Linux 3 (as) 
  • Red Hat Enterprise Linux 4 (as) 
  • Red Hat Enterprise Linux 2.1 (es) 
  • Red Hat Enterprise Linux 3 (es) 
  • Red Hat Enterprise Linux 4 (es) 
  • Red Hat Enterprise Linux 2.1 (ws) 
  • Red Hat Enterprise Linux 3 (ws) 
  • Red Hat Enterprise Linux 4 (ws) 

想定される影響

本脆弱性に伴う影響については、「概要」をご参照ください。
対策

ベンダより正式な対策が公開されています。ベンダ情報を参照して適切な対策を実施してください。
ベンダ情報

The PHP Group ターボリナックス レッドハット
CWEによる脆弱性タイプ一覧  CWEとは?

  1. その他(CWE-Other) [NVD評価]
共通脆弱性識別子(CVE)  CVEとは?

  1. CVE-2006-1608
参考情報

  1. National Vulnerability Database (NVD) : CVE-2006-1608
  2. Secunia Advisory : SA19599
  3. SecurityFocus : 17439
  4. SecurityFocus : 17362
  5. FrSIRT Advisories : FrSIRT/ADV-2006-1290
更新履歴

  • [2007年04月01日]
      掲載