【活用ガイド】

JVNDB-2005-000255

PHP の exif_process_IFD_TAG 関数における整数オーバーフローの脆弱性

概要

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本脆弱性情報は、同時期に公開された複数の脆弱性について、まとめて解説したものです。タイトル以外の他の脆弱性情報の内容が含まれていますので予めご了承ください。
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PHP 4 以降では、コンパイル時に --enable-exif を指定してコンパイルすることにより、EXIF (デジタルカメラ用の画像ファイルの規格) のサポートを有効にします。これにより、デジタルカメラにより生成された JPEG/TIFF イメージ内の EXIF ヘッダに含まれる IFD (Image File Directory) タグ (画像のサイズや種類、圧縮手法、色情報、著作権などの情報) を取得することができます。

PHP 4.3.10 以前、5.0.3 以前に同梱されている EXIF モジュール (exif.c) には、特定のイメージファイル内に含まれる IFD タグの取り扱いに不備のため、以下のセキュリティ上の問題が存在します。

1) exif_process_IFD_TAG() 関数で整数オーバーフローが発生する問題 (CAN-2005-1042)

2) IFD タグが過大にネストされている場合に、再帰的な関数呼び出しが無制限に発生し、メモリ資源を大量に消費してしまう問題 (CAN-2005-1043)

これらの問題を利用するリモートの攻撃者は、意図的に作成した EXIF ヘッダを含むイメージファイルを、EXIF サポートを有効にする PHP に読み込ませることにより、PHP を使用する Web アプリケーションをサービス不能状態に陥らせる、さらには任意のコードを実行する可能性があります。

尚、PHP Group より配布されている PHP のデフォルトでは、EXIF サポートは有効化されませんが、Red Hat Enterprise Linux などの一部の Linux ディストリビューションに同梱される PHP パッケージでは EXIF サポートが有効化されています。

PHP 4.3.11/5.0.4 では上記の問題以外に、複数のセキュリティ問題 (CAN-2005-0524 や CAN-2005-0525 など) 、及びバグが修正されており、PHP 4.3.11/5.0.4 にアップデートすることが PHP Group より強く推奨されています。
CVSS による深刻度 (CVSS とは?)

CVSS v2 による深刻度
基本値: 7.5 (危険) [NVD値]
  • 攻撃元区分: ネットワーク
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃前の認証要否: 不要
  • 機密性への影響(C): 部分的
  • 完全性への影響(I): 部分的
  • 可用性への影響(A): 部分的
影響を受けるシステム


The PHP Group
  • PHP 4.3.10 およびそれ以前
  • PHP 5.0.3 およびそれ以前
ターボリナックス
  • Turbolinux Server 7  
  • Turbolinux Server 8  
  • Turbolinux Server 10  
レッドハット
  • Red Hat Enterprise Linux 3 (as) 
  • Red Hat Enterprise Linux 4 (as) 
  • Red Hat Enterprise Linux 3 (es) 
  • Red Hat Enterprise Linux 4 (es) 
  • Red Hat Enterprise Linux 3 (ws) 
  • Red Hat Enterprise Linux 4 (ws) 

想定される影響

本脆弱性に伴う影響については、「概要」をご参照ください。
対策

ベンダより正式な対策が公開されています。ベンダ情報を参照して適切な対策を実施してください。
ベンダ情報

The PHP Group ターボリナックス レッドハット
CWEによる脆弱性タイプ一覧  CWEとは?

共通脆弱性識別子(CVE)  CVEとは?

  1. CVE-2005-1042
参考情報

  1. National Vulnerability Database (NVD) : CVE-2005-1042
  2. SecurityFocus : 13164
  3. SecurityFocus : 13163
更新履歴

  • [2007年04月01日]
      掲載