【活用ガイド】

JVNDB-2005-000126

Linux Kernel の reiserfs_copy_from_user_to_file_region 関数におけるバッファオーバーフローの脆弱性

概要

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本脆弱性情報は、同時期に公開された複数の脆弱性について、まとめて解説したものです。タイトル以外の他の脆弱性情報の内容が含まれていますので予めご了承ください。
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Linux Kernel 2.6.10 以前には、以下の複数のバッファオーバーフローの問題およびカーネルメモリ内を閲覧可能な問題が存在します。

・/proc において、特定の引数を指定して locks_read_proc() 関数を呼び出す際に、バッファオーバーフローが発生する問題 (CAN-2005-0529)

・drivers/char/n_tty.c において、カーネル空間からユーザ空間にデータをコピーする不備により、カーネルメモリ内の情報を奪取される問題 (CAN-2005-0530)

これらの問題を利用するローカルの攻撃者は、結果として不正に昇格された権限で任意のコードを実行する、あるいは重要な情報を奪取する可能性があります。
これらの問題は i386 アーキテクチャ上のバージョン 2.6.10 および 2.6.11rc1 で報告されていますが、他のバージョンも影響を受ける可能性があることが発見者により報告されています。
その他、現時点で詳細は不明ですが net/atm/addr.c の atm_get_addr() 関数や fs/reiserfs/file.c の reiserfs_copy_from_user_to_file_region() 関数にもセキュリティ上の問題 (CAN-2005-0531, CAN-2005-0532) が存在することが報告されています。

尚、開発版 Linux Kernel 2.6.11-rc4 においてこれらの問題は解消されていますが、上記問題以外にも以下のセキュリティ問題が修正されています。

・Radeon ハードウェアに DRI (Direct Rendering Infrastructure) 権限が付与されている場合に、Radeon ドライバで不正に権限の昇格が可能となる問題 (CAN-2005-0767)

・特定の i2c デバイスファイルの権限設定およびハードウェアの組み合わせにおいて、i2c-viapro ドライバの境界チェックが適切に行われないために、SMBus ブロック読み込みでバッファオーバーフローが発生する問題
CVSS による深刻度 (CVSS とは?)

CVSS v2 による深刻度
基本値: 2.1 (注意) [NVD値]
  • 攻撃元区分: ローカル
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃前の認証要否: 不要
  • 機密性への影響(C): なし
  • 完全性への影響(I): なし
  • 可用性への影響(A): 部分的
影響を受けるシステム


ターボリナックス
  • Turbolinux Server 10  
レッドハット
  • Red Hat Enterprise Linux 4 (as) 
  • Red Hat Enterprise Linux 4 (es) 
  • Red Hat Enterprise Linux 4 (ws) 

想定される影響

本脆弱性に伴う影響については、「概要」をご参照ください。
対策

ベンダ情報及び参考情報を参照して適切な対策を実施してください。
ベンダ情報

ターボリナックス
  • ターボリナックス株式会社 : Top Page (2007/01/04 現在 本脆弱性に関する情報は確認できませんでした)
レッドハット
CWEによる脆弱性タイプ一覧  CWEとは?

  1. その他(CWE-Other) [NVD評価]
共通脆弱性識別子(CVE)  CVEとは?

  1. CVE-2005-0532
参考情報

  1. National Vulnerability Database (NVD) : CVE-2005-0532
  2. Secunia Advisory : SA14270
  3. SecurityFocus : 12555
  4. K-OTik Security Advisory : KOTIK/ADV-2005-0163
更新履歴

  • [2007年04月01日]
      掲載