【活用ガイド】

JVNDB-2004-000484

Linux Kernel の open_exec() 関数における不正に ELF バイナリを読み込まれる脆弱性

概要

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本脆弱性情報は、同時期に公開された複数の脆弱性について、まとめて解説したものです。タイトル以外の他の脆弱性情報の内容が含まれていますので予めご了承ください。
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ELF (Executable and Linking Format) は、多くの Linux ディストリビューションで標準とされる、バイナリフォーマットです。

Linux Kernel に同梱されている ELF バイナリローダ には、setuid バイナリの処理において以下の複数のセキュリティ上の問題が存在します。

・binfmt_elf.c の load_elf_binary() 関数内において、kernel_read() 関数の返り値のチェックが不適切である問題 (CVE-2004-1070)

・mmap() 関数の呼び出しに失敗した際の処理が不適切である問題 (CVE-2004-1071)

・プログラムインタプリタをメモリ空間にマッピングを行う際の返り値のチェックが不適切である問題

・インタプリタをロードする処理において、NULL 文字で終端されていないインタプリタ名が存在する問題 (CVE-2004-1072)

・exec.c の execve() に含まれる open_exec() に、読み込み禁止に設定されている ELF バイナリに対して読み込みアクセスを許可してしまう問題 (CVE-2004-1073)

これらの問題を利用するローカルの攻撃者は、意図的に作成した setuid バイナリをロードすることにより setuid バイナリの動作を操作し、潜在的に root 権限で任意のコードを実行できる可能性があります。
CVSS による深刻度 (CVSS とは?)

CVSS v2 による深刻度
基本値: 2.1 (注意) [NVD値]
  • 攻撃元区分: ローカル
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃前の認証要否: 不要
  • 機密性への影響(C): 部分的
  • 完全性への影響(I): なし
  • 可用性への影響(A): なし
影響を受けるシステム


サイバートラスト株式会社
  • Asianux Server 3.0 
  • Asianux Server 3.0 (x86-64) 
  • Asianux Server 2.0 
  • Asianux Server 2.1 
ターボリナックス
  • Turbolinux Server 10  
レッドハット
  • Red Hat Enterprise Linux 2.1 (as) 
  • Red Hat Enterprise Linux 3 (as) 
  • Red Hat Enterprise Linux 2.1 (es) 
  • Red Hat Enterprise Linux 3 (es) 
  • Red Hat Enterprise Linux 2.1 (ws) 
  • Red Hat Enterprise Linux 3 (ws) 

想定される影響

本脆弱性に伴う影響については、「概要」をご参照ください。
対策

ベンダより正式な対策が公開されています。ベンダ情報を参照して適切な対策を実施してください。
ベンダ情報

サイバートラスト株式会社
  • MIRACLE LINUX アップデート情報 : kernel
  • MIRACLE LINUX アップデート情報 : kernel_se20
ターボリナックス レッドハット
CWEによる脆弱性タイプ一覧  CWEとは?

  1. その他(CWE-Other) [NVD評価]
共通脆弱性識別子(CVE)  CVEとは?

  1. CVE-2004-1073
参考情報

  1. National Vulnerability Database (NVD) : CVE-2004-1073
  2. Secunia Advisory : SA13126
  3. SecurityFocus : 11646
  4. SecurityTracker : 1012165
更新履歴

  • [2007年04月01日]
      掲載