【活用ガイド】

JVNDB-2003-000317

fileutils および coreutils の ls コマンドにおける整数オーバーフローの脆弱性

概要

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本脆弱性情報は、同時期に公開された複数の脆弱性について、まとめて解説したものです。タイトル以外の他の脆弱性情報の内容が含まれていますので予めご了承ください。
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GNU fileutils は、多くの Linux 製品で使用されている、一般的なファイル管理を行うユーティリティです。
GNU coreutils は fileutils、shellutils、textutils を統合した、標準ユーティリティです。
これらのユーティリティは、例えば以下のようなコマンドが同梱されています。

- ls
- dir
- vdir
- chown
- chmod

GNU coreutils/fileutils に同梱される ls コマンドは、-w オプションに引数を指定することにより、表示結果の横方向の文字数を指定可能です。

Coreutils 5.0/fileutils 4.1 以前に同梱される ls コマンドの init_column_info() 関数において、この -w オプションの引数に対し、妥当性の確認が適切に行われていない問題が存在します。

この問題を利用するローカルの攻撃者は、-w オプションに過度に大きな値を指定して ls コマンドを実行することにより、標的システムのメモリ資源を大量に消費させる、さらには整数桁あふれによるオーバフローを生じさせることで、標的システムを一時的にサービス不能状態に陥らせることが可能です。

また wu-ftpd は FTP の LIST コマンドを、GNU ls コマンドを呼び出すことで実装しているため、wu-ftpd へ anonymous ユーザでログインし、-w オプションに過度に大きな値を指定することで、リモートから同様の攻撃を行うことも可能です。

尚、攻撃を受けた後にカーネルが ls のプロセスを kill するため、システムは自動的に復旧します。

また、同様の問題が dir コマンドの -w オプションにも存在することが、報告されています。
CVSS による深刻度 (CVSS とは?)

CVSS v2 による深刻度
基本値: 5.0 (警告) [NVD値]
  • 攻撃元区分: ネットワーク
  • 攻撃条件の複雑さ: 低
  • 攻撃前の認証要否: 不要
  • 機密性への影響(C): なし
  • 完全性への影響(I): なし
  • 可用性への影響(A): 部分的
影響を受けるシステム


サイバートラスト株式会社
  • Asianux Server 1.1 
  • Asianux Server 2.0 
  • Asianux Server 2.1 
サン・マイクロシステムズ
  • Sun Cobalt RaQ4
  • Sun Cobalt RaQ550
  • Sun Cobalt RaQXTR
ターボリナックス
  • Turbolinux Server 7  
  • Turbolinux Server 8  
  • Turbolinux Server 10  
レッドハット
  • Red Hat Linux 7.1  
  • Red Hat Linux 7.2  
  • Red Hat Linux 7.3  
  • Red Hat Linux 8.0  
  • Red Hat Linux 9  

想定される影響

本脆弱性に伴う影響については、「概要」をご参照ください。
対策

ベンダより正式な対策が公開されています。ベンダ情報を参照して適切な対策を実施してください。
ベンダ情報

サイバートラスト株式会社
  • MIRACLE LINUX アップデート情報 : fileutils
サン・マイクロシステムズ ターボリナックス レッドハット
CWEによる脆弱性タイプ一覧  CWEとは?

  1. その他(CWE-Other) [NVD評価]
共通脆弱性識別子(CVE)  CVEとは?

  1. CVE-2003-0853
参考情報

  1. National Vulnerability Database (NVD) : CVE-2003-0853
  2. SecurityFocus : 8875
  3. SecurityFocus : 9793
  4. SecurityTracker : 1007981
更新履歴

  • [2007年04月01日]
      掲載